JCB【泉涌寺 涅槃会】開門前特別拝観 僧侶による涅槃図解説と朝粥付

京都

2025.3.31

開門前の静かな泉涌寺を散策
僧侶による大涅槃図の絵解きと
朝粥を愉しむ

MADE BY JCB 開催レポート

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【この企画は】

皇室との関わりから「御寺」と称される泉涌寺。
毎年3月に行われる涅槃会ではお釈迦様の入滅を描いた涅槃図が掲げられます。
年に一度の限定公開となる日本最大級の大涅槃図を
僧侶に絵解きいただくプランをご用意しました。

皇室との関わりが深い「御寺」、
年に一度の特別な機会

桜シーズンを前におだやかな時が流れ、まだ肌寒さが残る3月の京都。開門前、静寂に包まれた泉涌寺の大門に参加者が集った。
本ツアーでは、日本最大級の大涅槃図を間近で見ながら僧侶の絵解きを聴く。その後、非公開文化財「舎利殿」の拝観と泉涌寺御用達「矢尾治」の朝粥を愉しみ、この日だけの特別な朝を過ごす。

東山にある月輪山の麓にたたずむ泉涌寺は、空海が庵を結んだことに由来する真言宗泉涌寺派の総本山。鎌倉時代に四条天皇が葬られてから、歴代天皇の御香華院(菩提所)となった。そのため、皇室から篤く信仰され別名「御寺」とも呼ばれる。
屋根瓦や門など、随所に皇室の家紋である菊の御紋章があり、探しながら歩くのも楽しい。重要文化財「聖観音像(楊柳観音像)」が安置されている「楊貴妃観音堂」があり美人祈願でも有名だ。

本ツアーの案内役は、泉涌寺教学部長 渡邊恭章氏。門前にて泉涌寺の歴史について拝聴したあと、渡邊氏の威勢のいい掛け声で開門。
大門の先には、緑に囲まれた下り参道と明るい空が広がった。「下り参道」は全国的にも珍しい。盆地の底にお寺を建てることが修行の道場に適している、との考えで、この伽藍様式となったそうだ。
玉砂利の参道を下り、ほどなくして仏殿に到着。仏殿前の石畳には、「応仁の乱で焼け落ちた証拠が残っている」など現地でしか知ることのできない話を聴きながら、一同は大涅槃図の絵解きに期待を抱き仏殿に入っていった。

お釈迦様の命日である旧暦2月15日、現在の暦では3月15日前後に、多くの寺ではお釈迦様の入滅を描いた涅槃図が掲げられ、泉涌寺でも毎年3月中旬に涅槃会が行われる。
泉涌寺の大涅槃図は江戸時代の明誉上人によって描かれたもので、縦約16メートル、横約8メートル、重さ約150㎏もあり、日本最大の大きさを誇る。天井から床にかけてコの字型に折り畳んで吊らなければ堂内に収まりきらないほどの大作だ。

描かれている人物はほぼ等身大で、この絵の前に立つとお釈迦様の臨終に立ち会ったかのような感覚になるのも魅力のひとつだ。
満月の空と沙羅双樹は天井部に折り返して掛けられ、お釈迦様とその死を悼む菩薩、天部、十大弟子などは正面の垂直部分に、さらに折り返した地面の部分には様々な鳥獣が描かれている。一見、大涅槃図がお堂内に入り切っていないのでは、と思ってしまうほど大きい。
しかしながら渡邊氏は「この吊り方、この表現方法こそがまるで3Dのような臨場感を味わうことができる、日本で唯一の特徴だ」と語った。

お釈迦様を囲み悼む者たちについても、ユーモアを交えた楽しい説明を聞くことができた。ここで紹介するのはお話にあったほんの一部だ。
お釈迦様の従弟で十大弟子の一人、阿難尊者(あなんそんじゃ)は悲しみのあまり気を失って倒れている。

お釈迦様の最後の食事を供養した純陀(チュンダ)は、食後にお釈迦様が激しく体調を崩し、その後涅槃に入られたので、後悔し泣きながら詫びている。

涅槃図のお釈迦様の足元に必ず描かれている老婆は、80歳で涅槃したお釈迦様よりも歳をとっているように見えるから100歳を超えているのではないかなど、描かれている一人ひとりに物語があった。
参加者は手が届きそうな位置にある大涅槃図を前に、渡邊氏の話に聞き入っていた。

「矢尾治」の精進料理で
心を清める朝食を

開門前の静かな泉涌寺の魅力をたっぷりと体感した後は、御座所にて泉涌寺御用達の精進料理「矢尾治」の朝粥をいただいた。底冷えするお堂内で冷えた身体に、温かい朝粥が染みわたる。旬の食材を活かして調理された精進料理は心を清め、今日一日がよき日になると感じさせた。

非公開文化財「舎利殿」での
鳴き龍体験

最後に、通常非公開の舎利殿を特別に拝観させてもらった。舎利殿は京都御所の建物を移築改装したもので、釈迦の歯(仏牙舎利)を奉安する貴重な霊殿。三国伝来の『韋駄天』も祀られている。

天井には狩野山雪筆の龍図が描かれており、龍の真下に立って手を鳴らすと龍の鳴き声が聞こえる「鳴き龍」も有名だ。参拝者は僧侶に教えてもらった場所に立って龍の目を見ながら手をたたき、「鳴き龍」体験をひとりずつ順番に愉しんで本ツアーを締めくくった。

早朝、静寂のなか始まったツアーだったが、終了時には涅槃会の特別法要に向かう僧侶たちの姿があり、活気ある泉涌寺となっていた。
参加者は、特別法要や御座所の美しいお庭などをそれぞれに散策。期間限定の特別御朱印や花御供(はなくそ)あられの授与など、涅槃会開催中の泉涌寺を愉しんだ。
泉涌寺に何度も訪れているという方からも、「僧侶とめぐることで新しい発見がたくさんあった」と喜びの声を聞くことができた。

観光の拠点である京都駅から程近いにも関わらず、喧噪から離れ山奥にひっそりとたたずむ泉涌寺。開門前からゆったりとした気持ちで過ごす涅槃会の朝は、心に残る特別な体験となった。

このイベントについて
  • 日程・会場
開催日2025年3月15日(土)
会場名御寺 泉涌寺(京都)
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