Vol.29 石丸幹二
JCB Presents
KANJI ISHIMARU Live in BLUE NOTE TOKYO
【JCB MUSICとは】
JCBが独自に企画している、JCBカード会員の方だけにお贈りする限定ライブ。
歌手・俳優として縦横無尽に活躍する石丸幹二が、ジャズピアニスト クリヤ・マコトを迎えて、繰り広げた豪華ステージ!
当日のReport と Set Listをお届けします。
※当日は新型コロナウイルス感染症対策を講じて行いました。
多彩なエンターテイナーの
音楽世界を体験するひととき
俳優、歌手、音楽番組の司会者などさまざまな顔を持つ石丸幹二が2月25日(金)、JCB会員限定のプレミアムライブ「JCB Presents KANJI ISHIMARU Live in BLUE NOTE TOKYO」を南青山・ブルーノート東京で開催した。
2020年にデビュー30周年を迎えた石丸は、21年、大規模なツアー「石丸幹二 オーケストラコンサート 2021」に続き、舞台『蜘蛛女のキス』で主演し、ミュージカル・ベストテン2021の男優部門1位を受賞。絶好調を更新し続けるエンターテイナーの音楽世界を、手の届くような距離で味わえるのは本当にプレミアムな体験だ。臨場感たっぷりのなか、ときに語りかけるように、ときに会場を震わせるように、多彩そのもののヴォーカルを届けた。
ジャズのビッグ・バンドが演奏できるほど大きいステージを持つブルーノート東京だが、この日の舞台はピアノ、マイク、椅子があるだけ。いつもよりさらに舞台が広く感じられる。盛大な拍手のなか、石丸幹二がアルト・サックスを持って現れ、その後にピアニストのクリヤ・マコトが続く。
1曲目は、井上陽水が1984年に発表したヒット曲「いっそセレナーデ」。セレナーデは“小夜曲”という意味で、これから深まっていく夜にぴったりのオープニング・トラックだ。続いてはカーペンターズで有名な「遥かなる影(Close to you)」を軽やかに歌い、そこからなんと、『宇宙戦艦ヤマト』の「真赤なスカーフ」へと続けていく。クリヤは、まるでベースを演奏するかのように低音部をリズミカルに奏で、高音部でブルース調のオブリガート(合いの手)を歌に挟む。
石丸幹二とジャズ・ミュージシャンの相性の良さは、ギター奏者の吉田次郎との共演作『Something's Coming』(2020年)でも明らかなところだが、ジャズ演奏家の持つ即興性や遊び心が石丸のクリエイティブ・スピリットを刺激するのだろう。クリヤのプレイぶりは、単なる伴奏の域にとどまらない。会話をするように、どんどん石丸の歌に音を添えていく。
「ブルーノート・ニューヨーク」や「ブルーノート・ミラノ」で演奏した時のエピソードの後に、クリヤが無伴奏ソロで演奏したのはディズニー・ソングの「星に願いを」。だが、そこに“変奏曲”という言葉を付け足したいほど、パフォーマンスは自由自在に変化していく。一体どこに、どう着地するのか。多くの観客が、空中ブランコを目の当たりにしているような気分になっただろう。
熱いピアノ・ソロに触れて、石丸幹二のテンションも高まるばかりに感じられた。ミュージカル曲を集めたコーナーでは、『オペラ座の怪人』から「The Point of No Return」や、『エリザベート』から「わたしだけに~愛と死の輪舞」を披露。近年の代表的レパートリーである「鷗」も、昨年10月にリリースしたCDに入っているものとはまた異なる、“今このときの石丸とクリヤの音の語らい”としかいいようのないアレンジで綴られる。また、石丸は東京藝術大学声楽科に合格する前、東京音楽大学でサックスを専攻していたことがあるが、「マイ・ウェイ」では流暢なサックスの“吹き語り”で聴衆を沸かせた。
鳴りやまないアンコールに応え、歌われたのは「愛の讃歌」。岩谷時子や松永祐子ではなく、栗原野里子の日本語詞に基づく歌唱だ(長谷川きよしも、この歌詞で歌っていた)。男性的な歌詞、豊かな歌声、ニュアンスに富むピアノが一体となってライブが終了した。終演後、会場には早くも“またこのふたりのライブをブルーノート東京で聴きたい”との声がいくつも寄せられたという。音楽を愛し、自由を愛し、とびきり歌心に富むふたりのブルーノート東京公演第2弾を、心待ちにしたい。
アーティストをイメージした本公演限定のオリジナルカクテル「Close to you」
ハーブリキュールのリカール、白ワインをベースに柚子の香り、グレープフルーツの苦味が心地よい一杯。
(撮影:Nana Yoshimura)
Set List
1st STAGE | 2nd STAGE | |
M1 | いっそセレナーデ | いっそセレナーデ |
M2 | 遥かなる影(Close to you) | 遙かなる影(Close to you) |
M3 | 真赤なスカーフ | 真赤なスカーフ |
M4 | クリヤ・マコト ピアノソロ | クリヤ・マコト ピアノソロ |
M5 | The Point of No Return | 彼女は女 |
M6 | わたしだけに ~愛と死の輪舞 |
わたしだけに ~愛と死の輪舞 |
M7 | ミスター・セロファン | ミスター・セロファン |
M8 | 帰らざる日々 | 帰らざる日々 |
M9 | 鷗 | 鷗 |
M10 | シェルブールの雨傘 | シェルブールの雨傘 |
M11 | Lost Boys Calling | Lost Boys Calling |
M12 | マイ・ウェイ | マイ・ウェイ |
En1 | 愛の讃歌 | メモリー |
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