キエフ・バレエ『白鳥の湖』鑑賞と
バックステージツアー&レクチャー
【このSTAGEは】
2020年1月11日(土)にキエフ・バレエ『白鳥の湖』が、上野・東京文化会館大ホールで上演。
JCBでは、開演前に舞台裏を見学できる「バックステージツアー」や
作品の内容を理解して観劇できる「初めてのバレエ入門レクチャー」付の
特別なプランを開催しました。
伝統あるウクライナ国立バレエ団が来日
今回の公演は、創立150年を超えるウクライナの名門バレエ団「キエフ・バレエ」が上演。音楽は、ウクライナ国立歌劇場管弦楽団が演奏し、主演となる白鳥・オデット姫役はアンナ・ムロムツェワ、王子・ジークフリート役はヤン・ヴァーニャが演じました。アンナ・ムロムツェワは、若くして主役にも多数抜擢されてきた実力派ですが、日本で『白鳥の湖』の主役を演じるのはこれが初めて。伝統あるこの作品をベテランのヤン・ヴァーニャとともにどのように演じるのか、多くのバレエファンから注目されていました。
バックステージツアーと
バレエ初心者にもやさしい作品レクチャー
今回のJCB会員の方限定プランでは、開演前に「バックステージツアー」と「初めてのバレエ入門レクチャー」を開催。
「バックステージツアー」では、舞台裏にセッティングされた迫力のある大道具や、出演者の美しい衣装を間近で見たり、出演者が練習をしている姿を覗くことができたりと、普段見ることのできない貴重な瞬間を目の当たりにできました。
「初めてのバレエ入門レクチャー」では、講師の三科絵理先生が、バレエの起源から現在に至るまでの歴史や、今回の作品「白鳥の湖」の見どころを説明しました。
「バレエはセリフがなく、場面の展開も早いので、初めて観劇する方は『何が起きているのか分からないまま終わってしまった』と感じることもしばしばあります。登場人物や見どころを事前に知っておくだけで、内容がすっと頭に入り、物語を楽しめるようになると思います」と、三科先生。
スライドを使ってテンポ良く進んでいくレクチャーは、30分という短い時間とは思えないほど濃密な内容でした。各幕の登場人物やストーリーの概要はもちろん、見どころのタイミングまで聞けば、バレエ初心者も楽しむ準備は万端。いざ、観劇へ!
全3幕にわたる、優美で幻想的な舞台を堪能
『白鳥の湖』は、『くるみ割り人形』・『眠れる森の美女』と並んで「三大バレエ」と呼ばれるクラシックバレエの名作。チャイコフスキー作曲であることも有名ですが、実は脚光を浴びたのは彼の死後だったといわれています。神秘的で静かな音楽ばかりが流れるのかと思えば、王宮の場面では民族舞踊のような旋律が奏でられたり、戦いの場面では勇ましいメロディに胸を打たれたりと、実に多彩な音楽が場面を盛り上げるのもこの作品の魅力。
全3幕で構成される舞台は、優美な雰囲気漂う湖のシーンや、王宮での一糸乱れぬ華やかな群舞、そして、クライマックスの王子と悪魔の対決と、見どころが満載です。とくに、第1幕での儚げな白鳥から一転、第2幕では王子を誘惑する妖艶な黒鳥をひとり二役で演じ分けるアンナ・ムロムツェワの演技力には、ただただ圧巻の一言。約3時間におよぶ公演の時間は瞬く間に過ぎ去り、大団円で幕を閉じました。素晴らしい公演を見せてくれた出演者に対し、観客席からは盛大なスタンディングオベーションが。それに応えるように、カーテンコールが幾度も繰り返され、会場内は喜びと感動に包まれていました。
バレエ公演での特別鑑賞プランは、今回が初の試みでした。事前にレクチャーを受けたことで、より作品を楽しむことができたのではないかと思います。次回の企画もどうぞ、お楽しみに!
舞台画像提供:光藍社
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