
Vol.15 河村隆一
JCB Presents RK 20th Anniversary Action #009「Piano」
Special Live in BLUE NOTE TOKYO
【JCB MUSICとは】
JCBが独自に企画している、JCBカード会員の方だけにお贈りする限定ライブ。
今回は、今年ソロデビュー20周年を迎えた河村隆一が初登場!
当日のReport と Set Listをお届けします。
河村隆一ソロデビュー20周年を飾る、
BLUE NOTE TOKYO Special Liveをレポート!
河村隆一がシングル「I love you」でソロ・デビューしてから、ちょうど20年。それを記念するライブ・シリーズ「RK 20th Anniversary Action」の第9弾が、ブルーノート東京で行なわれた。彼がここに登場するのは、意外にも今回が初めてだ。「会場の熱気がすごく感じられる。ここで歌うことができて幸せ」と、全13曲・約90分のステージを繰り広げた。
「RK 20th Anniversary Action」は毎回異なるテーマで開催されているが、この夜は、2009年発表の7thアルバム『ピアノ』収録曲を中心に構成された。コンセプトは“大人のバラード”。羽織袴姿のジャケット写真も大きな話題を集めた作品だが、この日の河村隆一は白いシャツ、黒いジレを颯爽と着こなしての登場だ。オープニング・ナンバーは「ヒロイン」。葉山拓亮の澄んだアコースティック・ピアノの音色が静まり返った場内に拡がり、そこに“もう、ここしかない”という絶妙なタイミングでヴォーカルが入り込んでくる。マイク・スタンドを強く握り、ときに前かがみになりながら、歌詞をかみしめるように歌い込む河村の姿をスポットライトが照らす。やがて福田真一朗のアコースティック・ギターと種子田健のベース、そして沼澤尚のドラムスがアンサンブルに厚みを加えてゆく。音数を抑えに抑えたプレイは、ヴォーカル・サポートのお手本というべきものだ。彼ら凄腕ミュージシャンが生み出す絶妙な“間”も、個人的にはこのライブの大きな魅力のひとつであった。
続く「もうすぐ逢えるから」からはハンド・マイクでのパフォーマンスに切り替え、ときに胸に手のひらを当て、ときに空間を抱きしめるかのように腕を動かしながら歌詞を表現する。スタジアム、アリーナ、ホールなどさまざまな規模の会場で歌ってきた河村だが、この公演に接して「こんなに巧みにコントロールされた、声量豊かなヴォーカリストだったのか」と改めて感銘を受けた。
その“威力”がより生々しい形で伝わってきたのも、クラブという親密感あふれる空間であるからこそ。この夜に集まった聴き手は、歌声だけではなく息遣いまでもダイレクトに感じながら、河村隆一のバラードの世界に浸りきったことだろう。
アルバム同様「月はもちろん」で本編を終えてからも、アンコールを求める拍手はやまない。そこで2ndのアンコールでプレイされたのが2016年にリリースされたアルバム『Colors of Time』のタイトル曲。『ピアノ』収録曲とはテイストの異なる、強烈なビートを持つナンバーだ。河村隆一は歌だけではなくグロッケン演奏も行ない、特別参加した盟友のYOKANがソプラノ・サックスで華を添えた。
この2017年はソロ・デビュー20周年であると同時に、LUNA SEAのメジャー・デビュー25周年にもあたる。ふたつのアニバーサリーを、このカリスマ・シンガーは全力で駆け抜けてゆく。
(ライター:原田和典)
Set List
M1 | ヒロイン |
M2 | もうすぐ逢えるから |
M3 | それを愛と呼ぼうか |
M4 | 色彩絶佳 |
M5 | 朝顔 |
M6 | 根付けの鈴 |
M7 | 冷たい雨 |
M8 | 潮騒 |
M9 | 夢のカケラ |
M10 | 柘植の櫛 |
M11 | 北へ |
M12 | 月はもちろん |
En(1st) | I love you |
En(2nd) | Colors of time |
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