JCB 大徳寺 大慈院 坐禅の会レポート

京都

2022.9.29

大徳寺 大慈院
夏休み坐禅 心を育もう

MADE BY JCB 開催レポート

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【この企画は】

身体と心を調える「ゆる坐禅」を提唱する大徳寺大慈院にて、
夏の風物詩である五山の送り火の翌日、
庭を臨む本堂を開放した「坐禅の会」が開催されました。
寺院の掃除と坐禅を通し、己の身体と心に向き合う時間を体験していただきました。
※当日は新型コロナウイルス感染症対策に留意して行いました。

こわばりを解き、身体と心を調える
大徳寺大慈院の坐禅体験

大徳寺は、鎌倉時代末期に開かれた臨済宗大徳寺派の大本山。応仁の乱による荒廃後、一休和尚が復興させたことでも知られ、2つの別院と22の塔頭を有し、江戸時代の禅寺の風情をいまに伝えている。大慈院は「禅の心を体感する寺」として、初心者向けの親しみやすい「ゆる坐禅」で人気を呼んでいる。

この日は、蝉の声も幾分控えめでゆるやかな風が心地よく、連日の猛暑が少し和らいでいた。昨夜来の雨による静謐な空気に満ちた境内。濡れた緑が美しく石畳を進むにつれ、しっとりとした雰囲気に包まれ、穏やかな心持ちになるのを感じる。順々に集う参加者たちも開始時刻まで庭を眺め、写真を撮るなど思い思いに過ごしていた。

イベントの前座として戸田住職が取り出したのは紙芝居。「ブッダ」と題された物語は、打ち合う豚の姿から仏教の本質を問うたもの。続く「きこりとさとり」では無心の境地について説いた。 その後、まずは大慈院の紹介から。安土桃山時代に創建された大慈院は、安養院(織田信長の姉)、見性院(大友宗麟の姉)など女性に縁が深い。そういった歴史にふれると不思議と寺自体を身近に感じられる。 坐禅のウォーミングアップとして、固く絞った雑巾を手に濡れ縁へ。木の目に沿って、後退りしながら拭き進めていく。慣れない姿勢に小さく悲鳴が上がったり、笑いが起こったり。初対面同士の参加者に交流が生まれる。一心不乱に心を込めて拭く。単純な作業は、心を穏やかにしてくれるものだ。雑巾がけが終われば、井戸水を汲み上げて汚れた雑巾を洗う。ひんやりとした水が身体を動かした後の肌に気持ちいい。

いざ坐禅となり、雷鳴が轟き雨脚が強まった。 最初は短い時間で椅子に座ったまま坐禅を行う。それから、身体をゆるめる体操をし、正しい姿勢と呼吸の方法を指南される。 「呼吸をコントロールするのではなく勝手に呼吸が穏やかになるように。心をコントロールしようと考えず、自然と心が穏やかになるように」という戸田住職の言葉に戸惑いを見せる人も。足の指をゆっくりと回しながら「力を抜いて、身体をゆるめることが大切」と説明される。ストレッチではないため力を入れる必要はなく、力が抜けている感覚を知ることが肝要だという。

「身体と心は繋がっています。身体がゆるめば自ずと呼吸も穏やかになり、心がゆったりするのです」 と坐禅の要素を、「脱力」「姿勢」「重心」「呼吸」「陰陽」の5つに分けてはじめての人でも取り組みやすい指導のもと本格的な坐禅を体験。雨音が周囲を包み込むなか、鐘の音が厳かに響き渡った。

戸田住職曰く、「呼吸がラクになることは、生きやすさに繋がる。だからこそ、楽に息ができる場所が大事だ」と。ストレスでこわばった身体を自分自身でゆるめ心に安らぎを得る。それこそが、禅の力なのだろう。 会を締め括る読経に手を合わせた後、雨が上がった。坐禅を終えた参加者の心を映すかのごとく、晴れやかな空にほっこりするのも贅沢なひとときだ。

このイベントについて
  • 日程・会場
開催日2022年8月17日(水)
会場名大徳寺 大慈院(京都)
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